感情の取り扱い事例
【自分の夫がモラハラなんて…わかってなかった】
どれくらいの時間が流れただろう…
受講生は何度も言葉を発しようとしては「涙で言葉にならない」を繰り返していた。
それはモラハラね。
大変だったでしょう。
「ゆかり先生の言葉を聞いて、あぁ…私が悪いわけじゃなかったんだ…と思ったら解放されていく感じがして涙がとまりませんでした。」と後日、この日のことを振り返ってまた涙ぐんでらっしゃいました。
モラルハラスメントとは…
「イルゴイエンヌは、社会は精神的な暴力に対しては対応が甘いが、精神的な暴力は肉体的な暴力と同じ程度に、場合によっては肉体的な暴力以 上に人を傷つけるもので犯罪であると述べる。……イルゴイエンヌは、セラピストとしてたくさんの被害者に接してきた結果、被害者が加害者の攻撃か ら身を守ることがいかに難しいか、よく知られている。ストレスは行き過ぎなければ心身に深い傷を与えないが、これに対してモラル・ハラスメントは、心身に 深い傷を与えるのが普通の状態である。「モラルハラスメントがどれほど被害者の心身の健康に破壊的な影響を与えるのか、その恐ろしさを嫌と言うほど見てき た。モラルハラスメントは精神的な殺人である」と述べる」- ウィキペディア(日本語)
受講生は夫の、「コントロール攻撃」に疲れていた。
例えば、実態のない匂いで「臭い」と攻撃され、
すぐに決めろ!と即決を迫られ、
馬鹿にしたような薄笑った表情で会話をされ、
セックスを強要される。
付き合っている時から「なにか違う…」とずっと思っていた。
門限を決める、お前は農家で俺は武士だからと変な理屈をこねる。
人が集まれば上手にマウンティングする。
だからって、まともに仕事はしない。プライドだけは高くて。
社会性がないというより、自分は損したくない、やりたくないことはやりたくないを私にだけ前面に出してくるような人。
こんなことを言うと、本当にダメンズ好きに思われるかもしれませんが、
優しいというか、子どもみたいに純粋なところがあります。
それに偏差値は高いんです。だから、理屈では負けてしまう。
でも、私が結婚を決めたんだから。
こう言う人とわかって結婚しようと決めたんだからと言い聞かせてました。
子どもができたときにいよいよ別れられないけど、大丈夫?って自分に尋ねました。「覚悟を持って結婚したんでしょ。」と言い聞かせてました。
心の傷は見えないからDVされたいと思ってました。体の傷なら証拠になるし、みせることごできる。けと、心の傷は見せることができない。
友達から「それはモラハラじゃない?」って言われて、
恥ずかしながら、初めて「モラハラ」を知ったんです。
ネットで調べてみると、私と夫のことが書いてありました…。
でも、どうしていいかわからす、ここに来たんです。
私には経済力もあります。夫と別れると思うとホッとします。疫病神からの解放です!
ただ、子どもがいます。
ここまで一気に話をして、私を見つめた。
あぁ…彼女の苦労を想像すると、私の心も悲鳴をあげそうだ。
よくやってきた。彼女には力があった。力があったからこそここまでやれたんだ。
まずは、自分を労おう。責める必要はない。その時々に、あなたにできる最高の決断をやってきたんだ。よくやった!十分労ったら、さぁ!これからのことを考えましょう!戦略が必要です。
あなたがどうしたいのかを教えて。
どうなりたい?
どうすれば良いと思っている?
受講生はしばし俯き、「そのことをずっと考えていたんですけど、、、」と彼女の考えを話し始めた。
〜次週につづく〜