恋心を意識しないと大変なことになる


感情の取り扱い事例
【無自覚は罪を生む】

受講生は私に妙な質問をした。

今日、先生にお聞きしたいことは3つです。
✔︎今、お付き合いしている人とそのまま付き合うべきか別れるべきか。
✔︎別れるとなったら、自分から伝えることが苦手なので伝え方を教えて欲しい。
✔︎最後に。私は恋愛を望んでいない。なぜなら仕事でミスが増えているから。だから、ふんわりと生きていきたいのだけどどうしたらいいか?

……。

 今、私が感じていることをお伝えしていいですか?
まず、お付き合いするかどうかはあなたが決めることです。私が決めることではありませんね。
 そして、自分から伝えることが苦手とおっしゃっていますが以前、あなたの恋愛対象外の男性からのオファーを受けた際にはきちんとお断りになってらっしゃった。なのに「今回は伝えられない」というのはどう言うことでしょう?!「伝えたくない」ということでしょうか。
 最後、仕事にミスが増えるほど恋の真っ最中ということですよね。つまり「恋で上の空になっているので仕事にミスが増えて困っています」とおっしゃっているように私には聞こえます。

受講生はその場に崩れてしまった。
だって、受講生はまさに恋してるんだもん♪

無自覚な抑圧は歪みを生む
受講生の恋は社内恋愛だった為、周りの人にバレないようにしなければならない。人間関係を構築することにさえ自信がない受講生は「恋愛など私にはハードルが高すぎる」と思っていて、さらに難易度が高い「内緒の恋」など到底無理だと思考で分析し、恋をしている感情を無自覚に抑圧していた
自分の正直な感情を自分自身が認めないと、人は妙な行動を選択する。この受講生の場合なら、相手の人に思ってもないことや別れ話を言ってみたり、冷たい態度をとってしまったり、「内緒」と言いつつ社内の同僚に恋愛相談してみたり。
 これが抑圧による歪みだ。恋のエネルギーは相当強いので湧き上がってくる想いを押さえ込むことに大きなエネルギーが取られ、ベストな選択へのエネルギーが枯渇する。だから冷静に考えればわかる判断も鈍ってしまい、思ってもいない行動をとってしまう。心は見えないが、行動は見えるからこそ最もまずい事態を引き起こしかねない
自分の正直な感情を認めたら、社会的にも自分にとっても有益な、冷静な判断ができるようになる。その場を最大に楽しむこともできるのに…。

自分の正直な気持ちを受け入れる
年齢も社会的立場も秩序もまずは脇に置いて、自分の本当の思いを正直に感じ、認めることが大切だ。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。それでいい。受け入れたら「どうしたいか⁈」だ。本当はどうしたいのか。感情レベルの次はあなたの意志レベルになる。
意志を確認しても、意志には通るものと通らないものがある。通るならどう通すのか。通らないならどう折り合いをつけるのか、といった思考レベルになっていき、最終的な行動の選択となる


終わらないものはない

恋愛もいずれ終わる。なら、今を楽しんでもいいんじゃないか。充分に周りに配慮しつつダメになった時に考えよう。あなたが心から別れたいと思う時が来るかもしれないし、相手から別れを切り出されることだってあるかもしれない。そんな先のことは誰にもわからない。ただ、今は目の前の人が好きで、一緒にいると幸せならそれでいいじゃないか。

受講生は涙を拭いていた。その姿は「私も誰かを好きになっていいんだ」といった安堵感というか、ゆるしが観えるようだった。

正直、シンプルに私は嬉しかった。人は本当に好きになる人に一生で何人、出会えるのだろう。片手いるのだろうか?
この受講生には好きになる人が目の前に現れたのだ。それが社内恋愛だろうが、年齢差があろうが、遠距離だろうが関係ないじゃないか。
恋するって幸せなことだよ。その幸せを味わっていいんだよ。