子どもが突然、学校に行かないと言い出したら


感情の取り扱い事例
【今、何が起こっている?】

受講生は長年、一つの会社に勤務していた。
若い頃は「一国一城の主人」といった夢を描いたこともあったが、結婚して一人娘が生まれ、この家族を大切にすることが自分にとって最優先になっていった。

受講生にはそんな自分を勇気を持っていない男と解釈して、どこか恥じている部分があった。

ある日、娘が「学校には行きたくない」と言い出した。
高校入学後、しばらく経ってからのことだ。

困惑した受講生は講座でこのことを真っ先に話題に挙げた。

まず、父親(受講生)が「我が家に何が起きているのか」ということを「思考」レベルで理解する必要がある。私は受講生に質問した。

「何が起きてるんですか?」

ーわかりません。ただ、学校で何かあったのでしょう。深く傷ついているのかもしれません。
部屋から出てこないので、理由も聞けずじまいで…。

受講生は娘に何が起きたのか、何が起きているのかを深く気にしていた。
そりゃそうだ。仕事で忙しく、かまってあげる時間が少なかった時があるとはいえ、いつも愛情をかけて、娘の幸せを最優先に考えて育ててきたんだ。

「娘ちゃんに何が起きているかを知るにはどうしたらいいと思う?」
という私の質問に受講生は長く考えていた。

子どもに何が起きているかを知るには子どもと話をするしかない
子どもとコミュニケーションを取れるかどうかが最も大事になる。

私は受講生に今、焦点化すべきことを伝えた。
この講座での取り組みは、娘とのコミュニケーションの取り方を行動レベルでトレーニングすることです。以下のような質問をしたら、娘ちゃんは何とおっしゃるかしら?

「お父さんは何が起きているか教えて欲しい」

すると?

「娘はきっと「言いたくない」と言うと思います。」

そうね。そうしたらあなたは言わないといけない。
「お父さんとひとつ約束して欲しい」

受講生が私を見あげた顔は「何を?」と尋ねていた。

死なないって」

そして、
お父さんにどんなことを望むのかを尋ねる。

きっと「今は何も望まない」と言われるでしょう。それでいいのです。
ただ、「絶対に怒らないでね」と娘ちゃんが言い出したらかなりいい線です。

親は『怒らない覚悟』が大切です。
お父さんが叱ることは、娘ちゃんにとっては絆をたたれるような感じがするはずだから。

そして、娘ちゃんと話をしていくためには、
奥さんとのコミュニケーションの訓練が役に立ちます

『15分間、妻との話し合いを録音して、互いに聞きます。
そして、相手の言い分を自分がちゃんと聞いているかどうかを確認し、
次の講座の時に私に報告してください。』

自分は妻の話をよく聞いているかどうか。これが宿題です。
相手の言い分を聞くことが上手になっていないと娘とは話せないですからね!
必要と感じたら、いつでもご夫婦での面接をしますから、ご相談ください。


行動レベルの宿題をやることで、受講生(と妻)は思考の幅を広げ、力をつけていく
それと同時に、言葉を磨く必要がある。

例えば、娘ちゃんが「学校に行こうかな…」と言いだしたら、
その時の親の一言は非常に大事になる。
思わず喜んでしまいそうだけど…

「私たち(親)のために学校へ行こうと思ってるの?
それとも、自分のために行こうと思っているの?」

こういった話を娘とできるように普段からトレーニングしていく必要があるんだ。
今回のことは、家族の発展に大きな意味を持っているはずです。
さぁ!ひとつ、ひとつ、取り組んでいきましょうね。