知らず知らずに男を追い詰める女


感情の取り扱い事例
勝利は得たけど、愛を失う…

最近、付き合っていた彼氏と別れた受講生は
「彼の仕事が超忙しくなって、だんだん会えなくなって別れるパターンなんです。」と別れ話なのに少し嬉しそうに話し始めた。

何も男女の別れに限らず、退職や失敗といったことも同じパターンで繰り返している人は少なく無い。別れで言えば「君は僕がいなくても大丈夫だから」と言われるパターンや「君といると疲れるんだ」といったパターンなど。

繰り返される現実を、ただの偶然と見てしまうのはもったいない。4nessコーピングでは、繰り返される現実は自己概念(セルフのB)の投影だと考える。

自己概念(セルフのB)が現実を作り出していると考えると、この受講生は自己概念(セルフのB)が緩まなければ、どんなに素敵なパートナーと出会えても同じ別れを繰り返すことになってしまう。この仮説、自己概念(セルフのB)が現実を作り出していることが本当ならば、この受講生は自己概念(セルフのB)さえ緩めば、パートナーとの関係性は変わることになる。

過去の事例で言うと、いつも付き合う男性に暴力を振るわれる女性の受講生がいたが、付き合う相手が変わってもいずれ「どんなに優しい男性も暴力を振るうようになった」と言う。この受講生の自己概念(セルフのB)を探ってみると、「どうせ男は皆、女に暴力を振るう」や「私はいつも手をあげられる」だった。そこに気づいた受講生は、事実に向き合い、パートナーと穏やかな関係性を作っていくことができるようになった。

もちろん、生きていれば「なぜ、私に?」といった不条理な出来事が起こることがある。人の力ではどうしようもない、原因がその人にないことが起こる時があるものだ。だからこそ、自分に原因があるものは自分で対処できるものだから、できる限り対処しておきたい

この受講生の投影図を書いてみることにした。
繰り返される現実は?と尋ねると「付き合う男性の仕事が超忙しくなって、男の方からギブアップして別れる」と受講生は言った。
続けて、彼の行動に受講生の自己概念(セルフのB)が影響しているとしたら、どういった「〜でなければならない」「〜あるべきだ」といった想いがあるでしょう?
との質問に受講生は「仕事は完璧でなければならない。」と。

完璧な仕事ってどういうこと?それは現実的に可能なの?という私からの質問に「完璧はできません。でも、そういう仕事を目指して私はやっています。」と言い、「そういう仕事ができない男なら要らない」と笑って答えた。

だから、彼は仕事が忙しくなり、受講生の家に来なくなったんだ。いや、正しく書くと、家に行きたくなくなったのでしょう。完璧な仕事をやっていることが受講生に会うチケットのようになってしまっている。そのチケットがなければ、会えない。付き合い始めた当初は張り切って頑張るでしょうが、正直で真面目な男性ほど完璧な仕事ができない自分に嘘がつけず、受講生に会いづらくなっていく。会ったとしても決してリラックスできない。

私の解説に受講生は「だから、家にいる時はリラックスできるように意識してたんです。」と言ってきた。リラックスを意識していたことが、リラックスな場じゃなかったという証になってしまう。

受講生は無自覚的に「私はこんなに頑張るけど、あなたはどうなの?付いてこれる?」と彼と競っていたのだ。別れ話なのに楽しそうに話をしていたその笑顔には「私について来れないんです、彼。」とまるで勝利した喜びが滲んでいたかのようだ。

ポイントを誤解して欲しくない。これは受講生が男性に完璧を求めないようにすることがゴールじゃない。受講生の自己概念(セルフのB)が影響しているのだから、受講生自身が自分に求める完璧さを緩める必要がある。自分に優しく接することが許されなければ、受講生と付き合う男性に受講生が優しくすることはできない。つまり、自分への許しがテーマとなる。

自分を許すと人との関係が変わるの?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれないが、「想い」がエネルギーなら、人との関係にバタフライ効果が起こってもおかしくない。バタフライ効果(butterfly effect)という表現は、気象学者のエドワード・ローレンツが行った講演のタイトル”Predictability: Does the Flap of a Butterfly’s Wings in Brazil Set Off a Tornado in Texas?“(予測可能性:ブラジルの1匹の町の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こすか?)に由来すると考えられている。)

自覚的か無自覚的かは別にして、誰かの想いが自分の行動に影響を与えたことがあるだろう。そこを振り返ると、自分の想いが誰かの行動に影響を与えることがあるのも自然だ。

人は自分を確認しながら生きている
自分が曖昧だと人は非常に不安定になるので、自己概念(セルフのB)に沿った自分を発見したり作り出して、自分を確認してはホッとする。自己確認の対象はそれぞれで、努力している自分に自分を感じる人もいれば、勝ち負けや正誤、成功や失敗することなど、その人が持つその人の自己概念(セルフのB)に寄る。だから、4nessコーピング 講座では自己概念(セルフのB)を重要視する何もしなければ幼い頃、無自覚的に、生まれ育った環境に適応するように作った自己概念(セルフのB)に沿った自分を繰り返すからだ。

受講生は自己確認のための『勝ち負けの概念』を緩める必要があった。つまりは自分の幅を広げるトレーニングが必要で、それはこの講座、4nessで出来る。しっかり鍛錬していくと、男性に限らず人との関係性が変わり、今も魅力的だが、さらに魅力的になり、どんどん成熟していく。
長年、4nessコーピングを学んでいる受講生はハッキリわかったようで、イキイキと会場を出て行った。さらに成熟した彼女と新しい彼氏との新しい関係性を話しながら、美味しいお酒を飲む日が今から楽しみだ。