感情の取り扱い事例
【気分を改善しようとするほどダメになる気分重視】
受講生は朝起きると、まず自分の気分を確認する。
今日はどうかな?大丈夫かな?!
やる気はあるかな?
と気になる。
そして、いまいちな気分だと1日が憂鬱になり、
一生懸命、気分を上げていこうとするがどんどんダメになっていくという。
気分は変えることはできない。
なのに、「気分を変えなければならない」となっていて、頑張っても気分は変わらないから自分がダメに感じていく。といった悪循環に陥っている。
こういったケースにはまっている人は少なくない。
気分が落ちていっている時、人は不安定になる。
不安定はまずいので、安定させようと焦る。必死になる。
しかし、気分の落ち込みや不安定感はバイオリズムのようなもので、コントロールできない。
変えれないものを変えようとしているから疲弊していく。そればかりか、自分が無価値に思えてくる。自分が無価値に感じると人は気分が落ち込む。そして、気分をあげようと必死になる。しかし、気分は変えれないので・・・
といった具合に悪循環にはまっていく。
悪循環の構造がわかれば、悪循環から抜け出すことができる。
まずは、変わらないものを変えようとしないこと。気分が落ちたものは変えれない。
気分が落ちたままの自分を引き受けるしかない。
引き受けるというのはどうにかしようと思わないことだ。
そして気分が落ちたまんま、できることをやる。
顔を洗う、歯を磨く、スクワットをする、着替える、散歩に出る、出勤(登校)する、朝食を作る、食べる、爪を切る、ヨガやストレッチをする、掃除をはじめる、掃除機を持つ・・・
なんでもいい。今、できることをやる。
実はとてもシンプルなんだ。
落ちた気分を変えようとせずに、やれることをやる。
これをやっていると、3つのことに気づくはずだ。
ひとつは、気分が上がってくること。
気分を上げようとしていないのに、やれることをやっていたら気分が上がってくる。
ふたつめは上記のことを経験し、理解すると、落ちた気分が気にならなくなってくる。
だって、やれることをやっていたら、気分は必ず変わっていくんだもの。
三つ目は、気分が落ちたままでもやれることの幅が広がっていく。
気分が乗らなければできないと思っていたことも、気分が落ちたままやれることが増えていく。気分の落ち込みを自分で引き受ける力がついてきた証。
全てを受講生に伝え、
✔️気分を変えようとしないこと、
✔️そのままの状態でできることをやること
✔️やって何に気づいたかを次の講座に持ってくること
を宿題とした。
キラキラした瞳で「やってみます!!!」と受講生は嬉しそうだった。
気分を重視していると、いつもいつも気分が気になる。
気分次第でどうなるか、自分がわからなく感じる。これはかなり不安だろう。
しかし、『気分はアップダウンするもので、コントロール不可』。
この事実が分かっただけでも、ずいぶんラクになる。
どんどん安定してくるんじゃないのかな。