自分は間違っているんじゃないか。〜前編〜


感情の取り扱い事例
課題は「大人の覚悟」なんだね

自分は間違っているんじゃないか…
といった想いが付きまとうと言う受講生。

「自分は間違ってないか?!」と考えることは自然なことで、大切なこと。大概、人が間違う時は「間違ってないか?」といった疑いを持たなかった時だ。だから、こういった疑いはうっすらでいいので持ち続けなければならない。しかし、受講生の話をよくよく聞くと、間違わないよう注意しているつもりでも、ふらっと取り返しのつかない大きな間違いを犯してしまう時があると言う。

意識では正しく生きなければ!と思っていながら、行為は魔がさしたようにそれに反することをやるということを繰り返していた。

つまり受講生は
・なぜ、私は間違いを犯してしまったんだろう…
といった深い後悔と
・どうやれば今後、大きな間違いを犯さないんだろう
といった具体的な対策が打てず悩んでいた。

「悩む」と「考える」は違う。
その違いは「決めたいか」「決めたくないか」だ。
人は意思決定すれば、すぐに行動する。だから、「考える」とは意思決定のためのプロセスとなる。しかし、「すぐにやり始めたくない」となれば、決めることを先延ばしにする。それが「悩む」だ。「悩む」は意思決定の先延ばしをしている。つまり、「悩む」ことには利点があり、すぐにやり始めたくないから悩みを利用して行動への先延ばしをしているんだ。そう本人が理解して悩んでいるのならそれもいいだろう。
ただ「悩む」を利用する場合、「先延ばし」の意思決定をしていることを意識しておかなければならない。考えて行動に移すことだけが意思決定ではない。悩んで「意思決定の先送りをしている」ことも意思決定なんだ。意思決定しないことを本人が選んでいる。つまり、実は「悩む」も「考える」も意思決定していることには変わりない。
と言うと、「意思決定できないんです。」と言う人がいるが、それは4nessコーピング的には違う。4nessコーピング講座では、can not は don’t want「意思決定できない」ではなく「意思決定したくない」と見る。するとその潜在意識には、「自分の意思で決めて行動したくない。」「自分の意思決定の責任を取りたくない。」といった想いが見える。決めれば、決めた本人に責任が発生するから。しかし、「悩む」も「意思決定の先延ばし」を意思決定しているとなると、やはり責任が発生する

つまり、どちらを選ぼうが責任は発生する。「悩む」ことは責任の回避にはならないんだ。ここを理解しておかなければならない。

大人になって「決めないことが責任の回避になる」といった認知を持ち続けているなら、それは幼児性だ。その人の人生の責任はその人にある。つまり、今のあなたは過去のあなたの意思決定の結果であり、今のあなたの意思決定が未来のあなたを決めている

「悩む」と「考える」のその両方にあなたの「意思決定」があり「責任」がある。となると、人は先延ばしの責任より自ら選んだ責任を取ろうとするのだが、「考える」を長年やってきてないと「どう考えていいかわからない」といったことが起こる。

「考える」は事実と解釈を分けるところから始まる
何が事実なのか。

人は事実と解釈を混同しがちだ。例えば、「雨が降ると気分が落ち込む」と言う人がいるが、事実は「空から水が落ちてくる」で、解釈は「雨が降ると道路が濡れているし、服が濡れると気持ちが悪くて嫌だな」となる。

受講生の場合、「自分は間違いを犯すダメな人間だ」といったように事実と解釈を混同している。事実は何なのだ。自分の解釈と分けて理解する必要がある。

事実と解釈を分けたら次は、自分が「作用できる部分」と「作用できない部分」を分ける。自分が作用できない部分をいくら考えても埒が明かない。例えば、相手がどうするかは相手が決めることでいくら考えても自分は作用できない。「自分が作用できる」ことの最大をやったら、相手がどうするかは相手に任せるしかない。あくまでも「考え」て「意思決定」するのは、「自分が作用できる」ところだ。

受講生は、自分が考えなければならないところは「この程度いいだろう」とか「これぐらいなら大丈夫」といった「甘さ」だと言った。

そうか…課題は、大人の覚悟なんだね。

私たちには幾つになっても「甘えたい」といった欲求がある。「甘え」には自分の全てを受け入れてもらえた感があるから。もしかしたら、どこまで許されるかで自分の価値を測ろうとしているのかもしれないね。自分の核(中心)が曖昧ではっきりせず、その曖昧な自分の核(中心)を「どこまで許されるか」で確認することは子どもがよくやる手法だ。

大雑把に言ってしまえば、自信がないんだね
自分の核(中心)が曖昧なことが意思決定の弱さに現れていて、それはよく「自信がない」と世間では言われる。
事実、大人になっても「自信がない」と悩んでいる人は少なくない。
じゃぁ、自信をつけるにはどうしたらいいと思う?

この続きは次回!