逃げることをやめたんです。


感情の取り扱い事例
対処じゃ解決しない

20代からコーピングに触れ続けてくれている受講生は目を見張る成長をしていた。

ある日のコーピングセミナーで開口一番「逃げないようにしようと思って」と受講生が言う。ほう!それはとても良い感じに聞こえる。どうしてそう思ったかを尋ねると、「仕事をやっていても趣味をやっていても、これじゃ結果は変わらないなぁ」と感じたと言う。
あぁ…自分を冷静に観れるようになっている!観れるようになったからこそ、堂々巡りしていている自分やこのままじゃゴールにはたどり着けないことに気づいたんだ。すばらしい!

4nessコーピングでは自分の核(中心)に戻ることをミッドポイントに据えている。気づきから始まり、許しを通って、受け取るものがあって、受け取ったものがあるからこその次の気づきを得て、許し、受け取りといった具合に螺旋状にだんだんと深まっていく。「自分の核(中心)に戻る」と言うと、まるで暗闇に深まっていくように感じるかもしれないが、真逆だ。落ち着きを取り戻し、大切な情報を見逃さなく、聞き逃さなくなっていく。受講生の発言には自分の核に一歩近づいた感があった。これは勝手に講師冥利に尽きる。純粋にうれしい!

今までは、「場当たり的な対処をすることが癖になっていた」と受講生は振り返る。「例えばメンタルを鍛えることも、最初から無理だと諦めていたように思う。逃げていることも今まで無意識だった」と。

それこそがセルフのBだ。「自分には出来ない」といった自己認知があったんだ。それは親の言葉が影響したのかもしれないし、子どもなりに誰かと比べて諦めたのかもしれない。もしかしたら、傷つくことへの回避行動だったかもしれない。しかし、どうしてそうなったか等どうで良いことだ。(時々、どうしてそうなったのかを知りたい人がいる。もちろん、何が原因だったかを知ることは、変化へのスピードを速めるのには有効だが、原因が思い出せない場合、変化への拒絶となる。)そんな過去のことは「今」には関係ない。気づけたことが素晴らしいじゃないか!
今まで受講生はたくさんのことを出来ないBOXに入れてきたはずだ。ひとつひとつ取り組んでいこうじゃないか!
そう伝えると、もがき苦しむ受講生。「久々に胸が苦しいです」と言う。そうね、確かに今まで「やればできたかもしれないこと」を出来ないBOXに入れることでスルーしてきたんだもんね。その事実を目の当たりにして苦しいのは自然なことかもしれない。しかし、同じエネルギーなら、気づかないようにしていた過去を責めるのにではなく、逃げない今の自分に使おうよ。逃げてきた過去の自分は許してあげよう。それがベストだと思ったんだろうし、そんな自分が現在の成功を作っているのも事実だから。

「まずは、出来ないと思い込んできたものリストアップですね!」と張り切っていた。

出来ないことリストの中には、やったら出来ちゃった!ということも含まれるだろうし、やってもできなかった…ものも含まれるはず。どちらになるかはやってみないことにはわからない。
出来ない=やりたくない」(4nessコーピングでは「can not」は「don’t want」と解釈する)だから、苦手だと思い込んでいることも多いはず。苦手なことに取り組む時のキーワードは「質より量」生産性を求める現代は「量より質」と言われる時代。その価値観のままに苦手なことに取り組んだら、自分責めが始まるだけなんだよ。「3回もやったのに何故ダメなんだ…」てね。3回やってダメなら5回やるまでよ。単純に質より量を目指す。仕方ないじゃん、苦手なことなんだから。しかも、今まで見て見ぬ振りしてきたんだよ。つまりはデビュー!ビギナーなんだから出来なくて当然。堂々と回数をこなそう。やったらやった分、必ず伸びる!伸びることももちろん大切だけど、きっと苦手なことに手をつけている自分が好きになるヨォ。それこそが自己肯定感なんだよ。他人をごまかせても自分だけはごまかして生きていることを知っている。そこに一踏ん張りするんだもん。例え出来なかったとしてもそんな自分を嫌いには決してならない。それどころか愛おしく感じるはずだよ。
しかし、「やってもダメでした」「頑張りました!」なんて、頑張ったリストを作って、言い訳BOXを山積みにするようなことはやめようね。人生という時間はどんどん過ぎていく。丁寧に、真剣に取り組もう。
苦手なことから逃げずに取り組んでいる「こんな自分が好き!」という時間が大切で、どんどん自己肯定感が高まっていく。

ここから人生の本番が始まるよう。受講生は今、生まれたてだから、つまづいたりもするだろうが、そんなことお構い無しで結構。やるほどに上手になり、しっかり自分の足で立てるようになっていく