「悩み、苦しみ、努力する」を人生で繰り返す理由


感情の取り扱い事例
「運が悪い自分」という解釈が自分を助けているのは自分の力に落胆しないため

自分は運が良いとか悪いとか、
あの人は運が良いとか悪いとか、考えることは誰だってある。

しかし、そもそも上手く実現しない目標ばかりを立てて、なかなか達成しないことを「運が悪い」と解釈してたらどうだろう。
「運が悪い自分」が出来上がるのは自然なことで、「運が悪い自分」が出来上がっていることそのものが悪いのでなく、それどころか今回の受講生の場合、「運が悪い自分」という解釈が自分を助けていた


受講生は、なかなか結果が出ず、常に悩み苦しみ努力していた。
実はそこにはメリットがあり、そうし続けることで「自分はこの程度じゃない」と自分に言い聞かせているようだった。自分の力に落胆しないために。

私が感じていることをお伝えしていい?と確認して、以下を伝えた。

こんなに頑張っているのに成果が出ないのは、あなたは運が悪いということですね。
運が良かったらもっと出来たはずなんですよね。
向上心を否定(努力しても報われない)し、今の状況に満足しなければならないのを避けるために、自分は運が悪いと言い聞かせている
私にはそう見えます。違っていたら教えてください。

自作自演…???
とつぶやいて、受講生は項垂れていた。

この受講生は現状を維持したいタイプだが、気づきが高いレベルでおこっている。
だが、直面化は勇気がいることだから直面化しようとしない
それに、人生を本気で変えようと思ったら新しい行動をともなうもので、新しい行動は苦悩を伴うもの。だから、事実を見ないメリットは山ほどあると感じている。そもそも事実に向き合わなければ、何も始まらなくて済むからね。

それでも事実に向き合った時にやっと動きはじめる。
「私はこの程度なんだ!この仕事ぐらいしかないんだ!」と自分のありのままの力を認めるいうことが本当のスタートライン


「はい」と神妙な顔つきでこの回の講座を退室したものの、
2週間後の講座で受講生はうまく実現しない目標をやっぱり持ち出してきた。

それは何点ぐらい実現できそう?と尋ねると、妙に低い点数だったり、高得点だったり。
低ければ、実現する可能性が低いことになぜわざわざ手を出すの?と言うことになるし、
高得点であっても、高得点の根拠を尋ねると「なんとなく…」と心許ない。

上手く実現しない目標も、評価点数も、本当のスタートラインに立たないために工夫したもの。事実に直面化しないための工作のひとつだから。本気で叶えたいわけじゃないしね。

こうやって上手く実現しない目標を設定しては、苦痛を感じることがパターンになっていて、苦痛の物質を脳の中に起こすことで、脳に快楽物質を起こしている可能性が受講生にはあった。
こういったパターンを持っている人には事実に向き合わせる人が周囲にいない
だから自分の頭の中だけで考え、現実を突きつける人には話をしない。

受講生はよく4nessコーピング講座を選んだものだ!勘がいい!
一緒に、ひとつひとつ事実を確認していきましょう!
耳に痛い話や目を背けたくなる現実もあると思いますが、そこにこそ最大のヒントがあるものです。

40年近く、こういった思考の癖を繰り返してきたのだから受講生が腹から納得するには時間がかかるだろう。だが、必ずハッとする日が来る。そうしたら、人は瞬く間に変わっていくから。