何が普通か


感情の取り扱い事例
そう感じるのは自然なことじゃない?

こんなことがあって気持ちが落ち込んでいて…。
こんなことで怒り心頭で!
この場面でドキドキしちゃって。

と受講生が話しだした内容に「そう感じることは普通じゃない⁈」と問いかえすことは少なくない。つまり「自然な感情」なことが多い。

例えば「普通」とは…

理想通りの人生にならないことは普通のこと
自分の意見が聞き入れられないことは普通のこと
嫌なことがあった時に普段通りに振る舞えないことは自然なこと
気が合わない人がいるのは普通のこと
嫌な上司、気に喰わない部下、面倒な友人はどこにでもいる
やらなければならないことを優先させて後悔することは誰にでもある。
やりたいことを優先させて失敗することも誰にでもある。
沈黙になって気まずいことはしょっちゅうだ。
私たちはその他大勢で、そして特別だ。
特別扱いされることは想像するより居心地が悪いって知ってるだろうか。
どんな豊かに見える人生でも必ずつらい面がある。
私たちは空を飛べないし、時間を超えれない。
誰でも、こうしておけば…といった後悔を持っている。
そう都合よくはいかないのも普通。


どういう状態を「普通」と捉えるかで心持ちは変わってくる

なぜ、こんなにも「普通の感情」を受け入れられないのかと考えを巡らすと、ひとつは「普通」を教わってない可能性がある。何が「普通」かを教わる機会を逸していると、映画や小説、漫画といったフィクションから「普通」を学習してしまうことになり、リアルとのギャップが強くなるだろう。

他には、二次情報が多く、生の声を聞いていない可能性や、リアルに人と話をしていてもその人の表層的な言葉だけを受け取っているケースもあるだろう。偏った見方かもしれないが、その人が自分の本当の気持ちに気づいて言葉にしているとは限らないし、カッコつけようとしたり、自分をさも特別な存在に思わせたいといった思惑が無いとは限らない。
それによくあることだけど、成功者が成功の秘訣を尋ねられて「秘訣」を正しく判断し答えているとは思えない。もともとお力がある人なら、一般人にとって「秘訣」なことでも自然にやれていて「秘訣」とは思えてないこともあるだろう。
それとも、「普通」なことを「普通」だと受け入れないことで、自分は「特別」な存在だとあなたは思いたいのかな?


生きていればいろんなことがある

良い時もあれば、アカン時もあって、嬉しかったり、悲しかったり、ショックだったり、恥をかいたり、憤りを感じたり、悔しかったり、もうダメだと思ってみたり、いやまだやれる!と感じてみたり…

あなただけじゃない。
いろんな出来事の中でたくさんの感情を感じて揺れること自体が自然なこと。安定とは「止まる」ことではなく「揺れながら安定」していることなんだ。

ちなみに、自分が感じている感情を友人が言ってきたら、どういった言葉をかけるかを考えてみたらいいね。「そう感じるのは自然だよ」と友人に言ってる自分がいないかな。

「あなたが感じていることは自然なこと」で「そう感じるのは普通」だと受け入れたら、さて、あなたはどうしたい?どういう行為を選ぶ?