我が強い人


感情の取り扱い事例
会社の上司が無能で私の意見が通らない

我が強い人は、自分が我が強いことに気づけない。

我が強いというのは自分の意見を押し通し、他者の意見に耳を傾けないということ。意見がはっきりしていることの軸や芯があるとは少し違う。何が違うかと言うと、我が強い人の裏には私は正しい、間違ってないという強い思いがある。

もちろん私は正しいというスタンスで誰もが生きているが、我が強い人というのは、間違うこともあるかも…とか、もっと良い方法があるかもしれないといった心の余地が感じられない。

万能感があるだけでなく、周りの空気が読めないとも言える。本人は非常に苦労しているし、周りは迷惑する。大人になると指摘してくれる人が居なくなるから尚、気づけない。それどころか敬遠されてしまって孤独化する。孤独化するから自分だけで解決しようとしてもっとわからなくなっていく

例えば、暗黙のルールというものがある。わざわざ口にしなくても、書き連ねなくても、なんとなくそうだよね!といった、言葉では言い表せない周知のルール。やはり空気感のようなもの。それがわからない。だから、言葉での説明を迫る。わかってないことがあることにさえ気づけてないから、問題は起り続ける。特に人間関係がうまく築けない。端からすれば面倒な人だけれども、本人は自分が間違っているからだとは思っていない。

受講生は自分の我の強さに気づいてなかった
それどころか、自分が変わっているせいや良い意味の持ち味だと判断していた。確かに空気を読まないことが幸いすることはある。逆に世の中の人たちの多くは空気を読み過ぎてしまって身動きが取れなくなってしまって困っていることも多い

周りが無能すぎて…受講生の意見が理解されなくて困っていることが相談だった。

詳しく話を聞くと、確かに受講生は間違ってはいない。が、受講生の立場では会社全体の状況や方向性は把握できない。部署内だけで考えれば正しいかもしれないが、上司が部下に会社の全てを言えるわけでもない。となると、正しいことを伝えているのに取り上げてもらえないのは、私には言えない何か他の理由があるのかもしれないと想像することが必要だ。自分の正しさを脇に置くことができるかどうかにも近い。

受講生にさらに詳しく聞いてみると、「それは違う」と上司に言われると不機嫌になり、間違ってないことを主張してきたと言う。

あなたの意見が正しいかどうかは私にはわからない。ただ、否定された時の態度が間違っていることはわかる。あなたはきっと、自分と違うやり方をして成功した人を見ても、自分のやり方より成功した人のやり方の方が良かったとは考えずに、運が良かったのだろうと運のせいにしてきたでしょう。自分が日の目を見ない理由を別のところに見つけて、自分の力への直面化を避けてきている。と伝えると

「わかりません。でも、そうかもしれません。」と言った。

じっくり考えてみましょう。そういった可能性があるかもといった視点から仕事の場を見直してみましょう。また、気づくことがあったら教えて!と伝えるとニッコリ「はい」と受講生は返事した。

受講生は決して悪い人間じゃない。それどころか純粋に自分が思う正しいことをやっている。空気を読むといった感覚が欠如していて、その場には空気があることさえ理解していない。受講生は以前、みんながやることが不可解な時があると言っていたが、ニッコリ返事した姿を見てはっきりと合点がいった。

受講生は苦労してきたはずだ。
空気を読んだり、気を配ったりといった目に見えない感覚的なところが弱い。ここをしっかりトレーニングする必要がある。そんな受講生を深く理解できる上司や同僚に恵まれなければ、受講生の力は発揮できないだろう。ひとつひとつ鍛錬を重ねて、力をつけていく必要がある。時間をかけて身につけていきましょう。