精神的自立とは


感情の取り扱い事例
母がもう…うるさくて

30代中盤の受講生は母との関係性を問題としていた。

幼い頃から母が過干渉で、宿題は母がやっていたようなものだった。それが嫌で嫌で。まるで自分に力がないように感じる。

男児と母との関係に起こりがちな課題だ。母は愛情のつもりで息子の世話を焼くことが、息子は自分がダメなように感じイライラを募らせる
それが成人になっても続いていると言う。

大人になった今でも?それは電話とかメールとかで?と尋ねると、
直接、部屋に来てと言う。確認ですが、一人暮らしなんだよね⁈

いえ、実家暮らしです。

なぜ家を出ないのか尋ねると金銭的な問題だと言う。

じゃぁダメじゃん。健康で働ける身体があって働いているのに家に居て、生活の一部を面倒見てもらっているのに、母が父が…と文句を言うのはどうだろう。未成熟だと思わない?

精神的自立は経済的自立から
経済的に自立していれば親とも対等に話ができる。が、経済的に負担してもらっていて、あーだこーだ言える立場だろうか?もちろん、家にお金を入れてはいるだろう。だけど、実際に一人で暮らすことを考えると足りないよね。好きなことをしたいから実家に居ると言うのなら、それ相当の我慢というか、覚悟が必要となる。干渉が嫌なら家を出ればいい。
生活は親に見てもらって、好きなことをしたい、干渉されたくないとは学生や10代じゃあるまいし、甘えてると思わない?

あなたは職場では年長者や経験値など、人の立場などをよく理解する。それは話を聞いていてもよくわかる。なのに、なぜ実家ではそれをしないのだろう。会社では立場を考えることは当然だと思うがそれを実家でもしないといけないの?と言うのなら、あなたは子どものまんまだ。年齢は関係ない。そんな時だけ子どもに戻るのは都合良すぎない?どう思う?

まずは経済的に自立する。それからだ。

受講生は神妙に頷いた。
一人暮らしをするには資金がいる。敷金礼金、家電だって必要だし、保証人だって要る。保証人は親に頼むことになるだろう。
ひとりで生きてみようとすると、私たちはいかに支えられて生きているかを実感する

一人暮らしをしようと、このまま実家にいようと、どちらを選んでも受講生の自由だ。が、何かを選ぶと言うことは何かを捨てること。自由を求めるなら経済的には苦しくなるが一人暮らしを、経済的な余裕を優先するのならある程度の我慢をする覚悟がいる。どっちも都合よくとはいかないんだよ。さて、受講生は何を選ぶだろう。