未処理の感情とは


感情の取り扱い事例
人は様々なシーンで自分に嘘をつく

✔︎恥ずかしいのに平気なふりしてみたり、
✔︎泣きたいのに強がってみたり、
✔︎落ち着いて考えたら伝えるべきだったタイミングなのに、その場では頭が真っ白になってただただ黙って見過ごしてしまったり、
✔︎キツイ…と言葉にしてしまったら2度と夢を追えなくなりそうに感じて、大変なことに目を向けないように工夫していたり、

人は様々なシーンで自分に嘘をつく

嘘というより自分の感情に気づくのに時間がかかると言った方が良いのかもしれない。決して「建前」や「かっこつけ」「無理している」といったことではなく、時間が経って初めて気づく自分の「本音」があったりする。自分の想いや感情を適切に感じ取れている人の方が少ないかもしれない。

それに、「こういう場合はこう振舞うべき」といったケーススタディに則って行動を選択している人もいる。ケーススタディを知っていることで役立つ場面もあるが、ケーススタディで人間関係をやり過ごそうとすると歯車が合わなくなる。大きな間違いこそ犯さないかもしれないがいつも自分が所在不明だ。自分が所在不明だから人間味がないというか、冷たいイメージを周りに与えてしまい、敬遠される。人間関係はこうやればうまくいくといった頭で考えるケーススタディだけではうまくいかない。

例えば、スポーツもできて、頭も良くて、ビジネスも長けてて、ルックスも良く、友人からは慕われ、家族を大切にし、優しく、リーダーシップがあり、おしゃれで、立ち振る舞いもスマートで、情緒的に安定して…といった完璧な人はいない。そう見せるのが上手い人はいるかもしれないが、皆一様にどこか欠けているものだ。歴史上の人物にも、どんなにすごいと言われている人でも完璧ではない。この欠けている部分こそ、私はその人の愛すべき特徴というか持ち味だと考えている

しかし、自己が育ってない人ほど、欠けている自分や欠けている部分を受け入れることができない。「欠けているからダメなんだ」と『欠けてる部分=自分がダメな理由』といった方程式を持ち続けている。完璧になれば愛されるとも誤解している。だから、完璧じゃない自分が感じていることも信頼しない。ダメな自分が感じることはどこか間違っていると深い部分でいつも自分を疑っている。

例えば、人と深い関係性を作っていく部分が欠けている人がその欠けているところを認めないと、自分が理解できる「型」に当てはめて無理やり理解しようとする。例えば、「人との大切な関係性」といったことがわからない場合、「時間や約束を守る」といったことで「大切にしている」「されている」ことを図ろうとする。人との関係では時間を守ったから大切にされている訳でもなく、時間を破ったから大切にされていない訳でもない。ケーススタディや型では人との絆は作れない。それに、ケースや型でやっている間中、自分の感情を無視している。感じているものを自分の中の深く深くに押し込めてしまっている。自分の感情を無視しているので、周りの人の感情も無視してしまう。自分の感情を取り扱えないので、周りの人の感情も取り扱えない。自分の感情を無視しているとそのうち、どんな感情を感じているかを理解することさえ難しくなっていく

感じなかった感情は決して生まれなかった訳ではない感情の特徴のひとつに、「感情は味わうほど感情にとらわれる時間は短くなる」といったものがある。例えば悲しい時にも、自分の悲しさを理解している時と、理解していない時がある。自分の悲しさを理解できていれば、その悲しみに対処することもできるし、悲しい出来事そのものをリカバーするかもしれない。いずれにせよ、「悲しみ」に蓋をしたり、「悲しみ」から逃げたりせず、「悲しみ」を味わうことになるのでその悲しみはだんだんと薄れていく。つまり、自分の感情を自分が理解し、味わうほどに薄れ、思い出せなくなっていく。一方で、受け入れなかった感情や封じ込めた感情、気づかないようにした想いは根深く残る。処理されないまま溜まっている感情はグツグツとまるで火山のマグマのように今にも吹き出しそうな勢いだ。このマグマのように今にも吹き出しそうになっている感情が未処理の感情

未処理の感情はまるで治りきってない傷口のように、触れれば痛む。強く当たってしまったら血が吹き出してしまうかもしれない。傷を負った時と同じようなシーンに出くわしたら、チャンスの場面でさえ逃げ出してしまうほどその痛みは強く、ちゃんと傷の手当てをすれば、すでに十分に乗り越えられるものであってもむやみに恐れるものになってしまっている

ある意味、未処理の感情はあなたの心の傷の在りかを教えてくれている。痛む場所が分かれば対処ができるし、痛んでる状態が分かれば適切な処置もできる。適切な対処や処置ができればなぜ、傷を負ったのかを冷静に分析できるようになるし、ウィークポイントがあればトレーニングして強くすることも可能だ。

しかし、未処理の感情に向き合わなければずっとあなたの人生に痛みを発生させる
✔︎頑張っているのになぜかうまくいかない。
✔︎ノウハウを学び、ちゃんと実践するほど自分から人が離れていく。
✔︎いつもポジティブであろうとして、どうしようもなく落ち込む日が来る。
✔︎本当の自分をわかって欲しいと思うほど、誤解される。
✔︎正しいことをやっているのに認められない。

など、抜け出そうともがくほど深みにはまっている感があるなら、そこには未処理の感情がある。そして、未処理の感情に気づくことができれば、問題の8割は解決する