感情の取り扱い事例
あなたは女というものを知らないね
女に利用された50代男性の恋は自信の無さに付け込まれたものだった(詳しくはこちら)が、それは彼が女を知らないからだけではなかった。
家庭を持った男性が独身の女性と付き合おうと思ったら、家庭を壊す気は無いと相手の女性に宣言することで女性の覚悟を問い、それでも!女性が言うなら、男も覚悟を決め、それ相当に稼ぐ必要がある。
ビジネスを始めたばかりの受講生に、最低でも今の倍はやらないと!と伝えると、それは難しく無いと言う。
ん? なら、何故しないんだろう?
稼げるとわかっているのに仕事に手がつかないというなら、恋以外の他の理由があるとしか思えない。
受講生の仕事は堅い。国家資格ではあるが、彼が持つ資格は地味といえば地味かもしれない。彼の学歴を知っている私としては、その仕事で本当に満足なの?面白いの?といったイメージを持っていた。
あぁ…仕事が嫌なのね。俺の人生はこんなもんじゃ無いといった本体の自分が頭を持ち上げてくるが、その自分を殺して生きている状態。
という私の言葉に受講生は涙が溢れた。
きっと魂が燃えないのだろう。
受講生は幼い頃、両親が離婚し、母の手ひとつで育っている。そんな頑張り屋で優しい母を安心させるための人生を選択してきたのかもしれない。そんな生い立ちを考えても、人生の安心安全を優先させてきたのではなかろうか。そのうち自身が家族を持つとそんな気持ちはより深まった。
しかし、どこかで本体の自分が抵抗していたんだ。本当の思いを抑えようとすればするほど、人は疲弊する。若い頃ならまだいい。時間がたっぶりあるように感じる。頑張らないと!で乗り越えられる。ただ、実際にビジネスが安定したり、ある一定ラインに到着すると面白く無い。面白く無いなんて大人が言うことじゃないと大人な風を装った自分が言う。受講生は自分の本当の気持ちを無視し続けていたから、自分を鼓舞してもやる気が起きない。そして、やる気が起きない自分はダメだを繰り返していたんじゃなかろうか。
成熟した大人は自分の本当の気持ちをキャッチできる。いたずらにごまかしたりしない。
受講生は仕事を頑張る材料を探していたとも言える。そんな時に現れた自由に生きてる風の女性。そこに受講生のセルフのB(自己認知)が共鳴した。
自由に生きている風と書いたが、世間一般には確かに自由に振舞っているように思われかねないような女性だ。が、復讐に囚われていること自体、その女性は決して本当の自由を手にしてない。だから、大人な風の受講生と自由な風の女性の『風』が共鳴したんだろう。互いに都合が良かった。
魂をしっかり燃やさないと人生は終われない。
仮に今の仕事に満足しないのであれば、そこを認め、次に向かう準備をすればいい。今の仕事を万端に終わらせるのもひとつの手だろうし、誰か信頼できる人に引き継ぐこともできる。成熟した大人だからこそ、本当にやりたいことをやるために今の仕事でしっかり稼ぐことが必須になる。義務を全うするには、やりたいことを諦めなければならないわけじゃない。義務をやって権利を手にすることができる。
仮に今、やりたいことが見つかってないとしてもいずれ必ず見つかる。見つかった時に、すぐに手をつけることができるように受講生は今の仕事で資金を確保しておかなければならない。
仮にすでにやりたいことが明確であるなら、一体いくらかかるのかを計算し、いつまでにその資金を貯め、それまでにどんな準備ができるのかリストアップし、現在の仕事をやりながら着手していかなければならない。
自分の人生を諦める必要はない。やりたいことに手を出すことや別の業種で起業することは決して冒険ではない。冒険と感じるなら準備不足だ。安心安全にやりたいことに徐々に手をつければいい。
受講生の課題は、本体の自分と正直に話しをすることで、正直な自分と社会的な自分との折り合いをつけることにあった。生まれ育った環境に適応するように作ってきた自分と本体の自分との統合。成熟の旅がやっと始まる。受講して5年が経過しよとしている。5年も⁈と感じるかもしれないが、受講生はそれほどに本体から遠いところに居たとも言える。そういった点では、家庭を持ちながら恋をするといったチャレンジには大きな意味があった。
家族への罪滅ぼしを兼ねて、
しっかり自分の人生を生きないと!
幼い子どもの生きる見本にならないと!
やっと彼の人生が始まる。
4nessコーピングは今以上にお役に立てれるはずだ。
受講生はきっと成熟の見本にさえ成り得るだろう。