100%の思いがなければ言葉にできないー後編ー


感情の取り扱い事例
言葉を丁寧に取り扱うとは

この記事の続きです。

最近、中間管理職へ昇格し部下が出来た受講生。部下を可愛がる、部下に教えるというよりライバル心がちょくちょく湧く。ジェラシーに近い思いを描いてしまう…。といった言葉を口にした。そんな受講生に出した宿題は、

あなたはどんな働き方をしたいの?
つまり、どう生きたいのか?
あなたはどう在りたいか?を考えてみて!

だったが、2週間後講座に現れた受講生は答えを用意していた。「子どもに仕事の目的を尋ねられたら?と想像して、十分に考えました。」と話し始めた受講生の仕事の目的は「世界をもっといい世界に変えたい」と言ったものだった。GOOD!

目的を名詞で言う人がいるが、それは違う。例えば、家電を作る人や家具を作る人がいるが、家電や家具が目的ではない。それを通して、どうしていきたいかが目的となる。私で言えば、4nessコーピングの考え方をレクチャーすることが目的ではない。自分との付き合い方が上手くなり、こんな自分が好き!と思える瞬間が増えた人たちが社会に溢れる世界を創ることだ。
目的は名詞じゃなく動詞なんだ。

仕事の目的をしっかり意識したら、次は本丸の「同じチームのメンバーにジェラシーが湧く」を考える。目的に照らし合わせるとどうなの?チームとしてベストなのでしょうか?

それは違う。ただ、どうしてもそう感じてしまうから「仲間」とか言葉にできません。

そうね。目的がやっと明確になったんだもの、そうかもしれない。「俺たち仲間じゃん!」って言うのは抵抗感があるよね。100%仲間だと思えてないのに、言葉にする罪悪感というか、嘘をついている感じがするというか、言葉と行為が揃ってないんじゃないか?といった軽々しさに対する抵抗感と言ったらいいかな。

だからこそ、口にしないといけない。それはもちろん、言葉にすることによってそういった想いが深まる効用がある。でも、それだけじゃない。前回も伝えたが、コミュニケーションはよく出来ていて、いずれ本当の思いは伝わる。必ず心根がはっきりするときがくるものだ。だから、心根を鍛えるんだ。バレてもいいような心根を育てる。そんな心根の方向へ自分を仕向けなければならない。順番を間違ってはいけない。気持ちが100%になったら伝えるではなくて、言葉にすることで自分の気持ちをベストな方向に方向付けるんだ。口にしてみたら自分の気持ちが動くのがわかるはずだ。自分が発する言葉は自分の耳も聞いているからね。

その際、大切なことがある。100%相手を仲間だと思うのは何も24時間365日、この後もずーっと一生思う必要はないんだよ。私たちはたくさんの場に生きている。家族もあれば友人もいる。部活をしていた時は部活のメンバーは仲間だ。バイトをしていればバイト先のメンバーも仲間だ。習い事をしていれば習い事の場のメンバーも仲間だ。その「場」の仲間なのだ。つまり、あなたの部下は仕事という「場」の仲間であり、その「場」限りの仲間で良い。しかし、その「場」限りの本当の仲間で、誠心誠意仲間だ。もちろん、「場」を超えて仲間になるのも素敵だけどね。それはその「場」限りの仲間を超えた先のこと。まずはその「場」限りの仲間でいいんだよ。

真面目で一生懸命に生きようとしている受講生は「気が楽になりました!」と言っていた。

誤解してはいけない。10キロ痩せようと思ったら、1キロ痩せないと10キロ減は無理だ。たった1キロ?!じゃないんだよ。1キロ減の積み重ねが10キロ減になるように、その場限りの仲間ができるから、この先の仲間ができていくんだよ。

自分がそう成れたらいいなといった理想の型から実践することは思っている以上に有効だ。いや、理想の思考になったら理想の行為が出来るようになるわけじゃないんだ。両方からのアプローチが成熟を早める

言葉には力がある。だからこそ、気をつけて使わないといけない。あなたの耳も聞いているのだから。自分が理想とするベストな言葉を使うように心がけよう。その言葉に後押しされるように心がどんどん育っていくのがわかるはずだ。言葉を丁寧に使うとは、自分を丁寧に扱うのとイコールなんだよ。