「やめようと思えばいつでもやめれる」と依存症の境界線


感情の取り扱い事例
大切な人が依存症になったら、
あなたはどんな言葉をかけますか?

今回は本の紹介です。
だらしない夫じゃなくて依存症でした』三森みさ著 松本俊彦(国立精神・精神医療研究センター)ほか監修 時事通信社(WEBでも読めます、アマゾンはこちら)

数々の取材に基づいたノンフィクション作品で、厚生労働省依存症対策推進室を始めとする複数の依存症の専門家による監修が入っています。

この本では、
依存症を患っている人
患っていたが回復した人
そして、
依存症になった大切な人に関わる人、
の3つの視点から、それぞれの立場の困惑や不安といった心の動きが描かれている上、現実の対処法も書かれています。

この漫画を読むと、依存症は「心に開いている穴、孤独の穴」を埋めるためにアルコールやギャンブル、クスリといった気持ちを変えられるものを使うことによって引き起こされ、その「心に開いている穴、孤独の穴」を理解や共感といった健康的な方法で埋めることによって回復していくことがよくわかります。

依存症の原因が、誰もが持っている「心に開いている穴、孤独の穴」であるならば、依存症は誰の身の回りにも起こり得るもので、依存の程度の違いこそあれ、人は誰しも何らしかの問題を抱えて生きているのではないでしょうか。

この本は、依存症が脳の病気であること、回復できる病気であることなど依存症への理解を広く深めると同時に、「自分を生きる」とはどういうことかを考える大きなヒントになると感じています。