断った後の申し訳なさ、気持ち悪さをどうにかしたい


感情の取り扱い事例【断った後の申し訳なさ、気持ち悪さがどうしても残る】

 今回の受講生のそもそもの課題は「NOと言えない」「人の誘いを断れない」ことだった。しかし受講を重ねるうちに、だんだんと自分を優先することやそのために相手に断ることを理解し、実践できるようになってきた。

力がついてくると次のステージが待ち受けている
次の課題は断った後の何とも言えない、申し訳なさというか罪悪感というか、何とも苦しくなる、この気持ちをどうにかしたいということだった。
特に相手が男性の場合につよう感じると言う。

そうか。断ることは決めていて、それも出来るようにもなってきたが断った後、自分の中で起きる気持ち悪さをどう扱ったらいいか?ということをお聞きになりたいのね。その点をお手伝いすればいいのね。

相手に断って、申し訳ない気持ちになる。それはとても当然なことじゃないのかなぁ。とても健康度が高いことです。
それで何が困るの?

「えっ⁈みんな味わってるんですか?」と受講生は驚いた様子。

そうですよ。皆、そうです。
例えば会おうと言われる。会いたくない人だから断る。
断るとホッとするけど、断らなければよかったかな?と考える。
嫌な気持ちにもなる。
それも全部、皆一緒です。自然なことですよ。
そこであなたは何が困るの?

嫌な気持ちにならない方法はない
そのことに慣れていく必要があって、そういったことに対する強さを身につけていく必要があるのだ。

今回の受講生の根本的問題は何かというと、
「認められたいといった強い欲求があり、そういった欲求があることを知られることが怖い。だから、どのように振舞ったらいいかわからなくなる」ところにあるように感じる。私は受講生に尋ねた。

「認められる」ことに関して強い関心があり、そのことを知られることを恐れることがあるんじゃないの?

「そうかもしれません。他人なんてどうでもいい風に振る舞っていますが、本当は強い承認欲求を私は持っているのかもしれません…。」

この受講生のように自分の欲求を自覚したら、簡単に言えば終了だ。
その後、自分や他者とどう付き合っていくといいかは学習していく必要があるが、それはお手伝いすることができる。

しばらく考えていた受講生は、自分のお母さんの話をしてくれた。

母はプライドの高い人で、人にどう思われたいとか、認められたいとか下品なことを思うべきではないという強い教育方針がある人だった。そういう部分がある父を罵ることもあった。」

そうか、自分の欲求に素直になると母を裏切るような感じがするのね。
母から離脱することへの恐れがあり、母の望むようなスタイルのフリをして生きているってことね。

人にどう思われているか?に本当は不安があり関心があるが、「断るのが苦手だ、誰かと深く接するのが苦手だ」ということで自分の身を守ってきたのだ。断るのが苦手だ、人付き合いが苦手だと思い込んでいて、拙い防衛の技を使っている

もしかしたら、自分の内的欲求に気づいた瞬間から受講生は激しいショックが生じるかもしれない。大好きな父を攻撃する母を実は憎んでいた自分に気づくことになるかもしれない。憎んでいる母親と共に生きなければならない。そんな自分も憎いことになるかもしれない。

あなたが本当に困っていることは何なのでしょうね?

本当の課題に向かって、これからゆっくり直面化していきましょう。