
感情の取り扱い事例
【「男らしさ」に反することはできない】
受講生は腹立たしい感じで、先日の出来事を話し始めた。
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車で1時間程度の実家にコロナの影響で戻ってない。
電話を切る時にばぁちゃんが「また遊びにおいでね!」とうちの娘に言うから、娘も実家に行きたがっている。なのに、実際に行こうとすると「コロナだから来ないで。来たとしても日帰りで!」と言われる。実家は妹家族と二世帯住宅だから、妹家族とはリアルに会っているはずなのに、なぜうちだけダメなんだ???「また遊びにおいでね!」なんて、もう娘に言わないで!と言っちゃいました。
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うーーん💧40代の男性が怒ることだろうか???
電話の切り側に「また遊びにおいでね!」と言うのは挨拶のひとつだし、お孫さんへの想いは本当だろうし。問題は別のところにあるようだ。問題を見極めるために、今回のことを別の視点からひとつひとつ見直していく。
まず、実家の父母が高齢であることを考えると、「コロナの影響があるうちは誰とも会いたくないという父母の考えは理解できる」と受講生も言う。
次に、「まだ実家には来ないで」と言わられると、一体なんと言われているような気がするのか尋ねると、「お前なんて要らない」と言われているような感じがすると言う。「そんなことを言ってないし、思っていないのも理解できるのだけど、そう言われている感じがしてイライラする」という。
あなたは自分の人生で「頭ではそんなことを言ってないと理解できるけど、イライラする」を繰り返してない?
と尋ねると「繰り返している」と言う。
繰り返している現実には緩めるべきセルフのBがある
「頭ではそんなことを言ってないと理解できるけど、イライラする」が、あなたの「〜あるべきだ」「〜でなければならない」を投影している現実だとすると、あなたはどうあるべきだと思っているのだろう?
すると、「わかりやすく、自分は必要とされるべきだ」という思いが出てきた。
では、「自分はわかりやすく必要とされるべきだ。なぜなら、私は〜だから。」と続けて言ってみて!
すると、受講生は「出てこない」と言いながらも時間をかけて答えてくれた。
「私は寂しいから」。
やっと本当の思いが出た!
あなたは「寂しい」という思いをオープンにすべきではないと思っているのね。つまり「寂しい」を抑圧してきた。
それはきっと「男」が「寂しい」と感じるのはNGだから。
ちょっと声にして「僕は寂しい」って言ってみて!
受講生は抵抗を覚えながらも「僕は寂しい」と口にできた。
受講生は「男性のあるべき姿」を明確に決めていて、それに反することはやらないように、また感じないように生きてきたのだ。
男性だって、寂しいし、辛いし、嫌なことだって山ほどあるし、弱音を吐きたいし、誰かに甘えたいし、リーダーシップを発揮でないこともあるし、わからないこともたくさんある。
だけど、受講生はそうとは見せないように頑張ってきたんだね。
彼が考える「男性らしさ」をずっと演じてきたんだ。
それは考える以上に大変なことなんだよ。
もうあなたの中の「男ならこうあるべき」から解放されていい。あなた自身のまんまでいいんだよ。
受講生にとって「寂しい≠男性」だが、「怒りやイライラ=男性」なので寂しさをイライラで表現していた。
イライラすると人は離れていくので、寂しさは埋まるどころか、さらに広がってしまう。
「さみしい」と感じるのは自然なこと。そして、これからも長く付き合っていく感情のひとつだ。
だから、付き合い方を学びましょう。
そのためにも自分の寂しさに気づけるようにならなければならない。
ということで、受講生に出した宿題は「男性はこうあるべきだ」と思っていることと、「男性はこんなことはすべきではない」と思っていることを書き出すこと。まずは自分が何を「男らしさ」に当てはめているか明確にしてみましょう。そのリストを見て、本当かどうかをチェックするのです。わからなかったら、聞いてね!
こういった、「男らしさ」が足枷になって自分らしさを発揮できてない男性は多い。男性ばかりじゃない。女性の場合は「女らしさ」を受け入れられず、「女らしさ」に抵抗して自分らしさを発揮できてない女性も多い。
もし、「私も・・・」と思ったら、自分に課している「こうあるべき」をリストアップすることから始めましょ。
城ノ石ゆかり公式サイト
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